親父の退官

 

2016 年、一番印象に残った出来事は、親父の退官でした。

引退ではないのですが、長く勤めた大学を定年退官する姿は

思っていたよりも すごく心に残りました。

 

3 月末には、最終講義と、カレーパーティーが開かれました。

 

小さい頃、ネクタイをしないで仕事に行く、うちの親父、かっこいいぜ

と思っていた親父が 最終講義では惑星柄のネクタイをして

研究人生を振り返ってくれました。

 

2012 年、金星探査機のプロジェクトがコケて、泣いた日々

そして 2016 年 奇跡的に持ち直したプロジェクト、

まだ夢の続きがあることは 僕にとっても嬉しいことです。

 

そして その後のカレーパーティー

普通は堅苦しい記念パーティーをするものですが

親父は引退ではないこともあり、本人の希望で「現役最後のカレーパーティー」と題して開催。

インド贔屓の親父はインドの衣装で出てきたけど

卒業生たちに、トーテムポールとインディアンの酋長の羽飾りを贈られ、

よくわからない雰囲気を出しながらも 満足そうでした。

 

締めには、PPAP ではなく、PPM (Peter Paul and Mary) の Early morning rain など

弾き語りを披露して、やりたいことをやった翌日

金星探査機の記者会見に臨んだ酋長。ひとりだけノーネクタイ

 

思ったよりも卒業生たちに慕われていた酋長。

僕を育て、学校に行かせてくれた 親父の仕事は

人を育てる仕事でもあったのだなと しみじみと感じて

親父、かっこいいぜ と思ったのでした。